居抜き物件・造作譲渡のトラブル事例と予防策、契約の流れ・注意点

居抜き物件はトラブル物件?!トラブル回避のためのチェックポイント。

日頃ご覧いただき、誠にありがとうございます!
飲食店のオンライン不動産「ミセカリ」・店舗開発担当の浅輪です。

飲食事業に携わること20年、不動産事業をはじめて4年、東京はもちろん、千葉・神奈川・埼玉、たまに大阪の居抜き物件を見てきた浅輪がお届けする、他にはない「リアル」な情報です!ぜひ最後までご覧ください。

ミセカリをご利用のお客様の多くは、「居抜き物件」を希望されており、
また、初めての飲食店開業であり、もちろん「居抜き物件」は、はじめて。

ちなみに居抜き物件とは前回お伝えさせていただいたとおり、
前借主が使用していた設備が残ったままの状態で引き渡される物件のこと。

居抜き物件のメリット・デメリットについては、こちらの記事をよかったら参考にしてください。

店舗の設備はもちろん、使用していた厨房機器や・設備、什器まで「中古」の状態で引き渡されますので、一歩間違えるとトラブルになりそうな予感がしますよね。

そこで重要になってくるのが、「契約」。どのようなトラブルがあり、そのトラブル回避のために契約時に注意すべきことは何かを把握することがとても重要です。

そこで今回は、居抜き物件のトラブル事例、契約時の注意点と題し、
居抜き物件のトラブル事例を踏まえた契約時の注意点をご紹介します。

目次

1.賃貸借契約と造作譲渡契約とは

それでは1点目、賃貸借契約と造作譲渡契約。

固めの漢字の登場でちょっと難しそうな気がしたみなさま、
どこよりもわかりやすくご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

賃貸借契約とは

賃貸借契約とは、読んで字の如く店舗などの賃貸物件を借りるための契約書のこと。
アパートやマンションなどの契約でご経験されたことがある方も多いかと思います。

造作譲渡契約とは

造作譲渡契約とは、これまた読んで字の如く、
造作=内装や厨房機器・設備、什器などの「造作物」を譲り渡す契約のこと。
※前の借主が、造作物の権利をテナントオーナーへ渡しているケースでは、
テナントオーナーと造作譲渡契約を結ぶこともあります。

こちらは居抜き物件特有の契約ですね。実際どのような内容が記載されるのか、一般的な造作譲渡契約書に記載される項目は、以下の項目です。(居抜きでも、造作譲渡の物件もございます)

・貸主(テナントオーナー)の承諾(浅輪が使っている造作譲渡契約書にはこの条項はない)
・前借主から新借主へ譲渡する造作物リスト
・造作譲渡料の支払方法、期日、引き渡し期日
・契約解除条件
・キャンセル時の違約金
・原状回復義務の範囲

認識を一致させるために、言った言わないをなくすために明記する必要があるものばかりですよね。
上記内容を明文化することが、トラブル回避の第一歩です。

2.居抜き契約の流れと注意点

それではトラブル回避の2つ目、居抜き契約の流れと注意点をご紹介します。

居抜き契約の流れ

まず、契約の流れをご紹介します。

1:造作譲渡の金額や譲渡物の内容を売主、買主の間で成立(売主が造作物リストを作成)

2:造作譲渡契約書を準備(売主が造作物リストを作成)
3:造作譲渡契約書の準備完了後、賃貸借契約を締結
4:賃貸借契約書締結直後(同時に)、造作譲渡契約締結
※買主=造作を売る・テナントの前借主側

居抜き物件の契約時の注意点

次に、契約時の注意点をご紹介します。
・譲渡するもの、譲渡しないものをはっきりさせておくこと(皿、グラス、私物など)
・店舗の引き渡し状態を決めておく(食材の廃棄、店舗清掃の状態など)
・リース物件があるかないか、もしあればどのように残処理をするのか
 ※ビールサーバーやクレジットカード端末など貸与されているものの引き継ぎ状態を決めておく)
・譲渡後の瑕疵担保責任をはっきりさせておくこと
 ※瑕疵担保責任とは、不良品・欠陥品 を売ったときに負う責任のことですが、
  要は中古品を売買するので、譲渡成立後の言いっこなしにしましょう、という内容ですね。

上記内容の注意点を意識し、造作譲渡契約をまとめておけばトラブルを回避することができると思いますが、それでも人と人、中古商品ですのでトラブルが発生するケースがあります。

3.よくあるトラブルと予防策

そこで3つ目、よくあるトラブルと回避方法をご紹介します。

譲渡品に入っていると「思っていたもの」が無い

認識違いはよくあります。必ず現場で「指差し確認」しながら、譲渡物を確認しましょう。そして譲渡物はすべて造作譲渡契約を締結しましょう。

譲渡品の不具合を全て教えてもらっていない

一つ一つを手にとり使用してチェックすることが望ましいですがチェック品が多い場合どうしても抜けが発生してしまいます。認識違いによるトラブルにならないためにも慎重に行いましょう。

買主にとって「ゴミ」が大量に残されてしまう。

例えば、過去の納品書、発注書、厨房内で使う備品などなど、買主にとっては不要な物が残されてしまうケースがあります。店舗引き渡しの状態、残す物、残さない物は契約書に書き起こしましょう。

税込、税抜きの認識がズレていた

例えば「100万円で譲渡します」と口頭で話していた場合、それが税込か税抜抜きなのかで10万円の差が発生します。「ちょっと細かいことを言う人」かと思われるとは思いますが、口頭での金額については税込・税抜きなのかは必ず確認しましょう。

造作譲渡契約を整理せずに賃貸借契約締結日になってしまう

造作物の売主と買主の契約になりますので、基本的には仲介業者(不動産屋)は携わりません。譲渡契約を整理せずに賃貸契約締結日を迎えてしまうと、賃貸借の契約開始になっているにもかかわらず、改装工事を着手できないという様なデメリットが発生するケースもありますので、最低でも1週間前までには造作譲渡契約を締結締結できる状態にさせておきましょう。

値段を釣り上げられる。

造作譲渡ということで、内装部分に気を取られ、後で気付いた外の電光掲示板などが会った時、
これも入るからプラス20万円です。とかなると、いらないものを売られる可能性もある。
なので、店内だけでなく、外の看板まわりなども気をつけてください。

様々なトラブルがありますよね、トラブル回避で重要なことは繰り返しになりますが、
・売主、買主が現場で指差し確認しながら、譲渡物を確認する。
・造作物リストを作成、もちろん契約書も項目上記内容で作成する

言った言わない、認識違いを回避するためにも上記内容を徹底して行いましょう。どこまでやっていいかわからない方、不安な方は居抜き物件に強い・経験値の高い専門家を経由して居抜き物件を依頼しましょう。

4.浅輪メモ:価格交渉はタイミングが重要?!

最後に浅輪のちょっと役立つお話、
価格交渉はタイミングが重要?!というお話をさせていただきます。

造作金額の交渉は①賃貸借解約前、②賃貸借解約通知後後、③賃貸借解約済みで大きく異なります。
それぞれ概要をご紹介しますと、

①の場合、交渉相手は現テナントになりますので造作譲渡条件が成立しないと当たり前ですが解約を出してもらえず売主有利になり、交渉が厳しいです。

②の場合、解約日が差し迫るほどに造作譲渡を成立させないと、売主はスケルトンに戻さなければならないリスクが高まります。ですので買主は解約日を見据えて交渉すれば、安価に手に入る可能性があります。(但し競合がいる場合の上記の通りにはなりません)

③の場合、造作の所有者がテナントではなくたっており、残置物としての造作となります。ですので造作譲渡代なんてあってないようなもの(家主が自家営業してたら話は別)

5.最後に

以上、居抜き物件のトラブル事例、契約時の注意点についての共有でした。

居抜き物件の場合は「中古」を取り扱うことになりますので
予想もしないようなトラブルはありがちです。

造作譲渡をする売主と買主が良好な関係を保つためにも、
入念な準備=契約書をしっかりご用意しましょう。

そしてトラブル回避のためにも「経験値」がなによりも重要です。手前味噌ですが・・・
私、浅輪は、飲食経験20年以上身を置き、多くの居抜き物件をご紹介、成立させてきました。

居抜き物件のトラブル回避の手段として、宅建士浅輪にお気軽にご連絡ください!
今日もトラブル回避のために、走り回ります

居抜き物件・物件探しのお悩みはオンライン不動産ミセカリにご相談ください。
https://www.misekari.com/contact/

感動されるほど飲食店経営と向き合うホームページ制作
チラシのデザインテンプレートならこちら!

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

この記事を書いた人

レインズインターナショナル様で加盟店開発の営業を担当した後、同グループ会社であった株式会社テンポリノベーション様の立ち上げに携わりました。様々な店舗開発を経験した後、株式会社KIDS HOLDINGS様に転職し現場も経験しました。その後、東京レストランツファクトリー様で企画開発の他、店長・事業部マネージャーを経験するなど、20年以上飲食業界に携わっております。

株式会社フードコネクション入社後は、飲食店様に自社物件を貸し出す経験をしており「ミセカリ」事業部にも携わっており毎日物件探しをしている、物件探し・飲食店のプロです。

目次
閉じる